電子部品メーカーの生産技術部で12年ほど働いている、藤川真帆です。
基板への接着剤やポッティング材の塗布工程を担当しています。
2液型エポキシの扱いが長いのですが、混合比のズレや可使時間との戦いは何年やっても気が抜けません。
最近、設備更新の検討でディスペンサー専業メーカーのNLC(ナカリキッドコントロール)が候補に上がりました。
2液型のラインナップを見てみたので、現場目線で率直に書いてみます。
2液型ディスペンサーで地味に大変なこと
2液型ディスペンサーを使っている方なら共感してもらえると思いますが、1液型に比べて手がかかるポイントがいくつかあります。
- 混合比率がズレると硬化不良に直結する
- 可使時間の短い材料だと混合部で固まるリスクがある
- 作業終了時や長時間の休止前に洗浄が必要になる
- ミキシングノズルの定期交換でランニングコストがかさむ
特に混合比率の管理は品質に直結するところです。
武蔵エンジニアリングの解説記事でも触れられていますが、10:1や100:1のように比率差が大きい材料では、少量側の計量精度が全体の品質を左右します。
うちの現場でも、エポキシ系の接着剤で混合比がわずかにズレて、硬化後の強度が規格を割ったことがありました。
あのときの手戻りは正直きつかったです。
それと、洗浄のタイミングも意外と悩みます。
昼休憩を挟むだけでも混合部で樹脂が固まり始めることがあって、午後の立ち上げに時間を取られることがありました。
1液型なら気にしなくていい部分なので、2液型のコストは装置だけじゃなく運用面にもかかってきます。
NLCの2液型ラインナップを見てみた
NLCは1981年創業のディスペンサー専業メーカーです。
2液型ディスペンサーの塗布装置ラインナップを見ると、16機種以上がずらっと並んでいます。
ここまで品揃えの多い専業メーカーは珍しいなと思いました。
気になった機種をいくつか挙げると、
- HPP1-Tはハイブリッド型のプランジャーポンプで、容積計量による混合比の安定が見込める
- カッパ5 DUAL SERVOはデュアルサーボ駆動で、精密な比率制御に対応している
- MDシリーズは微量吐出が得意で、基板への精密塗布に向いていそう
容積計量方式のモデルが複数あるのは、粘度変化の影響を受けにくい点で心強いです。
キーエンスのディスペンサー解説ページでも、容積計量式は「空気を使わずモータ駆動で吐出する方式」として紹介されています。
エア方式で吐出量のばらつきに悩んでいる現場なら、検討の価値はあると思います。
ただ、カタログ上のスペックだけでは、実際の混合精度や洗浄のしやすさまでは分かりません。
この手の設備はデモ機での試し塗布が必須なんですよね。
専業メーカーという選択肢
ディスペンサーは大手FAメーカーからも出ていますが、2液型に限ると選択肢は意外と限られます。
NLCのように2液型だけで16機種以上を揃えているメーカーは、材料や用途ごとの細かい要求に応えてきた蓄積があるはずです。
私が設備を選ぶとき、カタログに載っていない「この材料でこの比率は対応できますか」という質問に答えられるかどうかを重視しています。
専業メーカーは、そういう具体的な相談に対する引き出しが多い印象です。
まとめ
2液型ディスペンサーは、混合比管理と洗浄の手間がつきものです。
だからこそ、計量方式やメンテナンス性で設備を選ぶのが現場の鉄則だと思っています。
NLCは専業メーカーだけあって、ラインナップの幅と吐出方式のバリエーションは充実しています。
導入前にテスト機で実際の材料を試せるかどうか、問い合わせてみる価値はありそうです。
最終更新日 2026年6月24日 by female