人と被らない服を探している人へ。元バイヤーが推すアジアのブランド5選

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街で自分と同じパーカーを着た人とすれ違って、少し気まずい思いをしたことはありませんか。
量販店やファストファッションの服は手頃で着やすいぶん、同世代とはどうしても被ります。

はじめまして、ファッションライターの黒崎蓮です。
原宿のセレクトショップで8年間バイヤーをしていて、韓国やタイのブランドの買い付けも担当していました。
いまは独立して、アジア発のストリートブランドやテックウェアを中心に記事を書いています。

この記事では、日本ではまだ見かける機会の少ないアジアのブランドを5つ紹介します。
あわせて、海外のブランドを買うときにつまずきやすい税金・返品・偽物の話もまとめました。
「気になるけれど、海外の服を買うのはちょっと怖い」という人にこそ読んでほしい内容です。

被らない服を選ぶときに僕が見ているポイント

バイヤー時代、買い付けるブランドを決めるときに重視していたのは知名度ではありませんでした。
いま自分の服を選ぶときも、考え方は当時とほとんど変わっていません。

  • 日本での取扱店が限られていて、街で見かけることが少ない
  • デザインに「なぜこの形なのか」という理由がある
  • 日本から正規のルートで買える

1つ目だけなら、古着屋やフリマアプリでも満たせます。
ただ、2つ目と3つ目までそろえようとすると、選択肢は一気に絞られます。

そこで目を向けたいのがアジアのブランドです。
日本では知る人ぞ知る存在でも、地元では若い世代から支持を集めているブランドがたくさんあります。
欧米のデザイナーズブランドより価格がおさえめなものも多く、最初の1着に手を出しやすいのも魅力です。

元バイヤーが推すアジアのブランド5選

今回は国が偏らないように、ベトナム・台湾・インドネシア・タイ・韓国から1つずつ選びました。
価格は、2026年10月時点の60%(シックスティーパーセント)の表示をもとにした目安です。
60%は、アジア各国のブランドを数多く扱っている日本語のオンラインストアです。

ブランド国・拠点特徴日本での主な買い方価格の目安
HBSベトナム・ハノイリフレクティブ素材を使ったストリートウェア60%Tシャツ4,000円台から、アウターは1万円台
INCODER台湾黒を基調にした組み替え式のテックウェア60%Tシャツ4,000円台から、パンツは3万円台
Insurgent Clubインドネシア・バンドン社会へのメッセージを込めたグラフィック60%パンツ6,000円台から、トップスは8,000円台から
RUNDOWNYOUTHタイロゴ刺繍のオーバーサイズ60%Tシャツ4,000円台から、アウターは1万円台
SAN SAN GEAR韓国・ソウルアウトドアウェアの要素を取り入れた街着国内のセレクトショップ取扱店によって異なる

HBS(ベトナム・ハノイ)

最初に紹介したいのが、ハノイ発のHBS(Hanoi Boyz Swagg)です。
60%のブランド紹介では「ハノイ発のハイエンドストリートウェアブランド」とされています。
持ち味として挙げられているのは、リフレクティブ素材や、ほかに類を見ないエッジの効いたカラー展開です。
公式Instagramのプロフィールには「Since 2015」と書かれています。

リフレクティブ素材は、光が当たったときだけ反射して浮かび上がる素材です。
昼間は落ち着いた見た目なのに、夜の街灯やカメラのフラッシュを受けると印象ががらりと変わります。
同じ黒いアウターでも、こうした仕掛けがひとつあるだけで人と被りにくくなります。

60%では、アノラックパーカーやカーゴパンツ、グラフィックTシャツなどを扱っています。
Tシャツは4,000〜5,000円台、パンツは8,000円前後、アウターは1万円台が中心です。
売り切れているアイテムも多いので、気になるものがあれば早めに確認しておくのがおすすめです。

ブランドの背景やアイテムごとの見どころは、HBSのハイエンドなデザインを詳しく紹介しているページにまとまっています。
購入する前に一度目を通しておくと、ブランドの世界観がつかみやすくなります。

INCODER(台湾)

テックウェアが好きな人に推したいのが、台湾のINCODER(インコーダー)です。
公式サイトでは、モジュール式の設計と黒の美学を、ブランドの軸として掲げています。

代表的なのが「iNシステム」と呼ばれる仕組みです。
60%の説明によると、対応するクリップを使ってパーツを組み合わせ、自分のスタイルに合わせて形を変えられます。
買ったままの形で着るだけでなく、組み替えて自分仕様にできるところが、被らない服を探す人と相性のいい点です。

価格はTシャツなら4,000円台からありますが、パンツは3万円台が中心で、5つの中では高めの部類に入ります。
INCODERの公式サイトの取扱店一覧にも、オンラインストアとして60%が載っています。

Insurgent Club(インドネシア・バンドン)

インドネシアのバンドンを拠点にするInsurgent Club(インサージェントクラブ)は、2014年の半ばに立ち上がったストリートブランドです。
公式サイトのブランド紹介では、人権や汚職、貧困、気候変動といった社会の問題を、服づくりの動機として挙げています。

代表的なアイテムはグラフィックTシャツです。
社会問題やカルチャーを独自の視点で切り取ったデザインが多く、胸元のロゴだけで終わらないメッセージ性のある1枚がそろっています。
着ている人の考え方まで伝わる服なので、ほかの人とまず被りません。

地元インドネシアでは、バンドン、タンゲラン、マランに店舗を構えています。
60%ではトップスが8,000円台から1万円台、パンツが6,000円台です。
取り扱い点数は多くないため、入荷のタイミングを見逃さないようにしたいところです。

RUNDOWNYOUTH(タイ)

タイのRUNDOWNYOUTH(ランダウンユース)は、2015年に誕生したブランドです。
60%の説明では「バンコクデザイナーズストリートブランド」とされ、ブランド名には「疲れた若者たちのための新しいスタイル」という意味が込められています。

公式サイトでは、ストリートラグジュアリーなスタイルへの情熱と、素材の質へのこだわりを打ち出しています。
男女どちらでも着られるユニセックスのアイテムが中心で、ロゴを刺繍したオーバーサイズのアイテムが代表作です。

デザインが奇抜すぎないので、手持ちのデニムやスニーカーにも合わせやすいブランドです。
価格もTシャツが4,000〜5,000円台と、5つの中では手に取りやすい部類に入ります。
「アジアのブランドを試したいけれど、いきなり派手な服は不安」という人の最初の1着に向いています。

SAN SAN GEAR(韓国・ソウル)

最後は、韓国・ソウルのSAN SAN GEAR(サンサンギア)です。
公式サイトによると、拠点はソウルの麻浦区(マポグ)にあります。
ラインナップはパファージャケットやフリース、パンツなど、アウトドアウェアの要素を取り入れたアイテムが中心です。

ほかの4ブランドと違って、こちらは60%ではなく国内のセレクトショップで扱われています。
公式サイトの取扱店一覧には、日本の店舗としてH BEAUTY&YOUTHやwonder mountainなどが並んでいます。
ただし、扱う時期やアイテムは店舗ごとに変わるので、買いに行く前に在庫を問い合わせておくと確実です。

5つの中では、日本での取扱店がもっとも多いブランドです。
海外通販にまだ抵抗がある人は、国内の店舗で買えるSAN SAN GEARから入るのもひとつの方法です。

海外のブランドを買う前に知っておきたいこと

アジアのブランドは魅力的ですが、国内ブランドと同じ感覚で買うと、思わぬところでつまずきます。
バイヤー時代に見てきたトラブルも踏まえて、買う前に押さえておきたい点をまとめました。

正規の取扱店から買う

人気が出たブランドほど、模倣品も出回りやすくなります。
財務省の令和7年の税関における知的財産侵害物品の差止状況によると、2025年に税関が輸入を差し止めた件数は31,760件でした。
品目別では衣類が10,660件で最も多く、全体の30.0%を占めています。

税関によれば、個人で使う目的であっても、海外の事業者から送られてくる模倣品は没収の対象になります。
代金の返金についても、税関では対応していません。
ブランドの公式ストアか、公式サイトに載っている取扱店から買うのがいちばん確実です。

個人輸入なら税金の仕組みを押さえる

ブランドの公式通販から海外発送で買う場合は、関税や消費税がかかることがあります。
基本の仕組みは次の表のとおりです。

項目内容
課税価格の計算個人で使う品物は、海外の小売価格に0.6をかけた額が課税価格になる
免税の基準課税価格の合計が1万円以下なら、関税と消費税が免除される
例外Tシャツやセーターなどの編物製の衣類は、1万円以下でも関税が免除されない品目に入っている

0.6をかける計算方法は、税関の課税価格の決定の特例で説明されています。
1万円以下の免税と、その対象外になる品目については、税関の課税価格の合計額が1万円以下の物品の免税適用についてを見てください。

このルールは、これから変わることも決まっています。
財務省によると、0.6をかける特例は2028年4月1日に廃止されます。
同じ日から、1万円以下の通販商品については、販売者に消費税の納税義務が課される仕組みに変わります。

60%の場合は、輸入時の関税や手数料が、チェックアウトのときに支払う最終金額に含まれています。
注文の時点で支払う総額がわかるので、慣れないうちはこのほうが安心です。

サイズが合わなくても返品できないことが多い

いちばん気をつけたいのがサイズです。
海外の通販では、サイズが合わないという理由での返品を受け付けていないことがよくあります。

60%も特定商取引法に基づく表記で、不良品や品違いの場合を除き、返品や交換は受け付けないとしています。
不良品の場合も、商品を受け取った日から7日以内に連絡しなければなりません。

失敗を減らすために、僕はいつも次の手順でサイズを決めています。

  • 手持ちの服でいちばん気に入っている1着を平置きして、身幅・着丈・袖丈を測る
  • 販売ページのサイズ表と、測った数字をセンチ単位で比べる
  • S・M・Lの表記ではなく、実寸の数字だけで判断する
  • オーバーサイズ前提のデザインかどうかを、商品写真やモデルの着用画像で確かめる

同じアジアのブランドでも、デザインによってサイズ感はばらばらです。
「アジアのブランドだから日本人の体型に合うはず」と思い込まず、実寸で比べるのが近道です。

困ったときの相談先

国民生活センターの2025年度 越境消費者相談の状況によると、越境消費者センター(CCJ)に寄せられた相談は9,127件で、開設以来もっとも多くなりました。
商品・サービス別では衣類が769件で、役務・サービスに次ぐ2番目です。
模倣品が届いたという相談も143件ありました。

越境消費者センターは、海外の事業者とのトラブルにあった日本在住の消費者のための相談窓口です。
注文した商品が届かない、ショップと連絡が取れないといったときは、ひとりで抱え込まずに相談してみてください。

まとめ

人と被らない服を探しているなら、日本ではまだ見かけることの少ないアジアのブランドに目を向けてみてください。
今回紹介した5つは、どれもデザインに理由があり、日本から正規のルートで買えるブランドです。

  • HBSは、リフレクティブ素材を使ったハノイ発のストリートウェア
  • INCODERは、パーツを組み替えて着られる台湾のテックウェア
  • Insurgent Clubは、社会へのメッセージを込めたインドネシアのグラフィック
  • RUNDOWNYOUTHは、合わせやすさで選べるタイのユニセックスブランド
  • SAN SAN GEARは、国内のセレクトショップでも買える韓国のブランド

買うときは、正規の取扱店を選ぶこと、税金の仕組みを知っておくこと、実寸でサイズを比べることを忘れないようにしてください。
最初の1着は、手に取りやすい価格のTシャツからで十分です。
自分だけの1着が見つかると、毎朝の服選びがぐっと楽しくなりますよ。

最終更新日 2026年10月27日 by female